筒井文那さんの2度目の個展を企画していたときのこと。
作品のイメージを眺めながら、
「なんか、遊園地とかにあるような大きな本をめくる感じにしたい」
と思ってしまいました。
大きな本を開くと、その中から作品が出てくる。
そんな展示ができたら面白いんじゃないか、と。
ただ、思いついたはいいものの、そもそも作品を入れられるような大きな本って、どこで作れるんだろう。
そこから製本所を探し始めて、大村製本さんに相談することにしました。
作品を入れられる、大きな本をつくる
もちろん普通の本をつくるわけではありません。
大きな本であることに加えて、その中に作品を収められるようにしたい。
「こういうものを作りたいんです」と相談してみると、担当の方にもいろいろと方法を考えていただき、かなり苦心しながら形にしていただきました。
そして、ついに完成。

実際に出来上がったものを見ると、ちゃんと大きな本になっている。
開けば、中から作品が現れる。
できた。
思いついたものが実際の形になったことに満足していたのですが、ここでようやく次の問題に気づきました。
ところで、これどうやって展示するの?
本をつくることばかり考えていて、完全に忘れていました。
この大きな本を、何に載せるのか。
普通の本なら机の上に置けばいいのですが、人に見てもらう展示なので、それなりの高さも欲しい。
そして何より、大きくて重い本を安定して保持できなければいけません。
当然、そんな都合のいい展示台もなかなか売っていません。
本が完成したと思ったら、今度は展示するための方法を考えることになりました。
そこで見つけたのが、キャスターのついたモニタースタンドでした。
大きなモニターを支えるためのスタンドなら、それなりの重量を保持することを前提につくられている。
「モニターを保持できるなら、この本もいけるんじゃないか」
と考えました。
モニタースタンドを、本の展示台にする
もちろん、モニタースタンドを買ってきただけでは本を載せることはできません。
そこで今度は、L字型の金属パーツを製作してもらうことにしました。
スタンド側のVESAマウントに取り付けられるよう穴を加工してもらい、それを本を受けるための台として使う。
そうすれば、ある程度の高さに大きな本を置きながら、しっかりと保持できるんじゃないか。
そんな方法で、ようやく展示するところまでたどり着きました。
最初に考えていたのは、
「大きな本を開いたら、中から作品が出てきたら面白そう」
ということだけ。
そこから製本所を探して、特注の本をつくってもらい、完成してから展示台がないことに気づき、金属パーツまでつくって、最後にはモニタースタンドを買うことになりました。
ひとつ思いつくと、それを実現するために必要なものが、またひとつ増える。
そして、それを解決すると、また次の問題が出てくる。
この頃から、aLには少しずつ、
「売ってないなら、何かを組み合わせてつくればいい」
という考え方ができてきたのかもしれません。
本型の額装、オーダーでつくれます
今回製作したような本型の額装は、aLでオーダー製作を承っています。
作品の大きさや形、どのように見せたいかによって仕様は変わるため、決まった規格のものを販売するというより、作品に合わせて一緒に形を考えながら製作していきます。
「作品を本の中に収めたい」
「本を開くという動作も含めて作品を見せたい」
「普通の額装とは違う見せ方をしてみたい」
そんなご相談があれば、お問い合わせください。
そもそもこの本も、
「大きな本を開いたら、中から作品が出てきたら面白そう」
というところから始まりました。
次はどんな作品が入るのか。
それも少し楽しみにしています。
企画・文:aL
構成・編集協力:ChatGPT