台形の棚をつくる。零号機。

あおきさとこさんの展示会を企画していたときのこと。

これまで平面作品を中心に展示していたなかで、新たに立体作品を展示することになりました。

さて、どうやって展示しよう。

作品を見ながら考えていると、ふと、

「長方形じゃなくて、台形の棚に置いたら面白いんじゃないか」

と思ってしまいました。

展示会場で立体作品を置く棚というと、長方形のものが多い印象があります。

もちろん、長方形でも作品は置けます。

でも、この作品を見ていると、なんとなく台形のほうが似合う気がする。

だったら、台形の棚を探してみよう。

そう思って探し始めたのですが、そんな都合のいいものは、なかなか売っていません。

売っていないなら、つくる

ないなら、つくるか。

話としては簡単なのですが、ここからがなかなか大変でした。

まず必要なのは、台形に切った板です。

ホームセンターなどでは、購入した板を指定した寸法にカットしてもらえます。

ところが、台形をつくるために必要な斜めのカットとなると、なかなか対応してもらえない。

では、指定した形にネットでオーダーすればいい。

そう思って調べてみると、今度は思っていた以上のお値段になりました。

さて、どうするか。

最終的に出した答えは、

「じゃあ、自分たちで切ればいいか」

でした。

丸ノコをはじめ、必要になりそうな道具を一式揃えて、板を切るところから自分たちでやってみることにしました。

棚をひとつつくりたかっただけなのに、気づけば工具が増えていきます。

台形になれば完成、ではなかった

板を台形に切ることができても、それだけでは棚にはなりません。

側面の板をどうやって保持するのか。

作品を載せても問題のない強度をどう確保するのか。

外から見たときに、できるだけ余計な構造が見えないようにするにはどうするのか。

そこで、側面の板を保持するための中枠をつくることにしました。

これも当然、既製品があるわけではありません。

寸法を考えて、つくって、組んでみる。

うまくいかなければ、また考える。

そんな試行錯誤を繰り返して、ようやく一台の台形の棚が完成しました。

零号機、完成。

こうして出来上がった、aL最初の台形展示台。

後に続くシリーズになぞらえて、**「零号機」**と呼ぶことにしました。

最初から展示台を開発しようと思っていたわけではありません。

ただ、作品を見て、

「台形の棚に置いたら面白そう」

と思っただけ。

売っていない。

オーダーすると高い。

だったら、自分たちでつくってみる。

そんな流れで生まれた零号機でした。

このときは、とりあえず目的を達成したので、これで完成。

……のはずでした。

実際に使っていくと、バランスや構造、そして何より**「この棚、使っていないとき邪魔だな」**という問題が出てきます。

それはまた、次の話。


UNSEEN FIGURE あおきさとこ個展


企画・文:aL
構成・編集協力:ChatGPT