「台形の棚に作品を置いたら面白そう」
そんな思いつきから生まれた、aLの台形展示台「零号機」。
板を台形に切るところから始めて、中枠をつくり、なんとか実際の展示で使えるところまでたどり着きました。
そのときは、それで完成したつもりでした。
でも、一度つくって終わりにはなりませんでした。
もう少し、バランスを整えたい
零号機を実際に使ってみると、
「もう少しこうしたほうが綺麗なんじゃないか」
というところが見えてきます。
そこで零号機の構造をベースに、全体のバランスを取り直すことにしました。
台形の角度や上下の大きさ、作品を載せたときの見え方。
展示台だけを見て形を決めるのではなく、その上に作品が置かれた状態でどう見えるのかを考えながら調整していきます。
そうして出来上がったのが、**「初号機」**です。
零号機から始まった台形展示台は、ここでかなり完成形に近づきました。
ただ、使い続けていると、今度は形とはまったく別の問題が気になり始めます。
展示台は、展示していないときのほうが長い
零号機と初号機では、側面の板を保持するための中枠を接着してつくっていました。
頑丈です。
展示している間は、それで何の問題もありません。
問題は、展示が終わったあと。
とにかく邪魔。
当然ですが、立体作品を載せる展示台には、それなりの大きさがあります。
しかも展示台が活躍するのは展示期間中だけ。
それ以外の時間は、どこかに保管しておかなければなりません。
ギャラリーを運営していると、作品や梱包材、工具、展示に使うさまざまなものが少しずつ増えていきます。
そこに、分解できない大きな展示台まで増えていく。
これはどうにかしたい。
そこで次は、
「棚そのものを分解できるようにしよう」
と考えました。
接着するのをやめてみる
零号機、初号機では、中枠を接着してひとつのフレームとしてつくっていました。
2号機では、この構造そのものを見直しました。
それぞれの板を保持するパーツを分離して、六角レンチを使って取り付け・取り外しができる構造に変更。
展示するときには組み立てる。
展示が終わったら、ばらす。
板と保持するためのパーツに戻すことができれば、保管するときに必要なスペースをかなり小さくできます。
そして、分解できるようになったことで、もうひとつメリットが生まれました。
運びやすくなった。
完成した展示台をそのまま移動させるのは大変ですが、板とパーツに分けられれば持ち運びもしやすくなります。
別の場所へ輸送する、ということも現実的になってきました。
こうして出来上がったのが、**「2号機」**です。
展示するためだけの棚から、使い続けるための棚へ
零号機では、台形の棚をつくること自体が目的でした。
初号機では、その形とバランスを整えました。
そして2号機では、展示しているときだけではなく、展示していないときのことまで考えるようになりました。
零号機をつくったときには、そんなことまで考えていません。
実際につくって、使って、保管してみたから気づいたことでした。
作品をどう見せるかから始まった台形の棚。
気づけば、収納や持ち運びまで考えるようになっていました。
そして、ここまでくるとまた考えてしまいます。
「これ、もっといろいろな展示で使えるようにできるんじゃないか?」
2号機で完成したはずの台形展示台は、さらに「量産機」へと進んでいくことになります。
それは、また次の話。
企画・文:aL
構成・編集協力:ChatGPT