ギャラリーの裏側を、全部つないでみた。その2「作品を販売する」

2.作品を販売する

aLもそうですが、ギャラリーでは作品を販売するために、レジシステムにも作品を登録しています。ということは、作家ポータルから受け取ってWebサイトに登録された作品情報や画像を、今度はPOSレジにも登録することになります。

同じ情報を、また別のシステムに入力する。面倒です……。

システムは基本的に、面倒なことを解消するために使うもの。システム屋を30年やってきた身としては、「そりゃPOSレジにも連動させるよね」という話になります。

aLでは決済にSquareを利用しています。入金が早くてありがたい。そしてSquareにはAPIが用意されているので、Webサイトに登録された作品情報や画像など、販売に必要な情報をSquareへ自動登録する仕組みをつくりました。

単に商品を登録するだけではなく、aLの運用に合わせてカテゴリーなども自動的に設定します。簡単なところでは展示会や作家名がカテゴリーになり、それぞれの作品がどの展示会、どの作家に紐づくのかまで自動で登録されます。

作家が登録した情報がWebサイトで使われ、そのままPOSレジの商品情報にもなる。これで、同じ作品情報を別のシステムへもう一度入力する必要がなくなりました。

購入されたら、今度はサイトへ戻す

ここまではWebサイトからSquareへの連携ですが、販売されたあとは逆方向の連携も必要になります。作品の購入が発生するとSquareからWebhookを受け取り、該当する作品を判別して、Webサイト側にも「成約済」と自動的に反映するようにしました。

作品は基本的に一点ものなので、会場で売れた作品がWebサイトではまだ購入できるように見えている、というタイムラグはできるだけなくしたい。手作業をひとつ減らすということは、作業時間を減らすだけでなく、更新を忘れる可能性もひとつ減らせるということでもあります。

手間がない=忘れない。

これはシステム化するうえで、かなり大事なことだと思っています。

実際に、同じ作品を二人に販売してしまった

そして、このあたりの仕組みを急いで実装することになったのには理由があります。

Squareのレジにも運用上ちょっとクセがあり、在庫が0になっていても操作によってはレジ上で販売できてしまうケースがありました。そして飯村武志さんの個展で、実際に同じ作品を二人のお客様に販売してしまう、ということが起きました。

一点しかない作品を、二人に販売してしまったわけです。

購入者様にも作家様にもご迷惑をおかけしてしまいましたが、皆様には快くご対応いただきました。その節は本当にありがとうございました。

ただ、ギャラリーを運営する側としては、「ご対応いただけてよかった」で終わらせるわけにはいきません。同じことを繰り返さないために販売時の処理を見直し、この経験をもとにシステム側にも大至急で対策を追加しました。

面倒をなくすだけではなく、ミスをなくす

ここまで「面倒だから」という言葉を何度か使っています。もちろん、入力作業を減らしたいというのもシステムをつくる大きな理由なのですが、実際にギャラリーを運営していると、それ以上に重要なのが、人の作業を減らすことでミスを減らせるということでした。

同じ情報を何度も入力すれば、どこかで間違える可能性が増えます。販売後に手作業でWebサイトを更新するのであれば、忙しいときには反映が遅れることもあれば、単純に忘れることもあります。だったら、システムに任せられるところはシステムに任せた方がいい。

そして、こうした仕組みをつくるうえで重要なのは、APIの使い方を知っていることだけではないと思っています。

実際にギャラリーを運営して、どこで間違えるのかを知っていること。

今回の仕組みも、最初から完璧な設計図があったわけではありません。実際の運営の中で起きたことをもとに、「ここは人がやらない方がいい」「ここはシステムで防いだ方がいい」と、少しずつ手を入れてきたものです。

面倒な作業を減らすことから始めたシステム化ですが、その先にはミスを減らすという、もっと大事な目的がありました。

これで「2.作品を販売する」も、かなり自動化できました。

作品が売れたら、次に待っているのは作家への精算です。

次は「3.作家に精算する」。


企画・原文:aL
構成・編集協力:ChatGPT

原文:754文字 → 編集後:1,763文字