らいじん - 莫妄想 -

あおきさとこ

技法
チタン、木製パネル・アクリル絵具、顔料、樹脂
サイズ
W 455mm × D 20mm × H 530mm
制作年
2024年

「 雷神 」はその名のとおり
自然現象の雷や稲妻を神格化した姿。

大切にすることで
雷に関わる災害から大地を守ってくれて
稲妻という名の通り、稲の豊作にもつながる。

風神・雷神で有名な「風神雷神図屏風」は
元は禅寺にあった事を知り、
「雷神」に「禅」の言葉を組み合わせた
ちょっと優しい”らいじん”をイメージした。

雷の災いだけでなく、
現代人の疲れた心を癒す存在であったらいいなと
願うと同時に、こんな人でありたいという
目標の姿でもある。

それなので「らいじん」のタイトルの中には
神だけでなく、人(雷のような人)という
意味も込めている。

禅の言葉にある-莫妄想-は
「 妄想すること莫(なか)れ 」

ヒトと比較してしまったり、
先のことを妄想して、考え過ぎて、
ただ不安になるだけなら
考えないほうが自分の為になるという言葉。

出た芽がどんな風に育つか。
立派なハナを咲かすことができるのか…
そもそもハナが咲くものなのか…

いろんな未来を想像し過ぎて
頭の中では雷が走っている。

考える事に囚われすぎず、
時には自信をもって、ただ優しく見守るほうが
良い結果になることも多いかもしれない。

ただし、雷神さんは雷を司るもの。
必ずしもヒトを守ってくれる良い存在
だけではない様。

「 大切にすることで 」の言葉のとおり、
“莫妄想”を忘れて考え過ぎていると、
いつか自分に雷がとんでくるかもしれません。

怒って頭上に落とされませんように、
自分の中にいる「らいじん」さんには
くれぐれもご注意ください。

あおきさとこ:経歴

  • 広島県出身
  • 広島市立大学 博士前期課程 芸術学研究科 造形計画専攻 染織造形領域 修了
らいじん – 莫妄想 – - チタン、木製パネル・アクリル絵具、顔料、樹脂 by あおきさとこ | aL【アエル】
展示会ページへ戻る